World after the World
新美術館でやってるボルタンスキー展がめちゃくちゃよくて膝から崩れ落ちた。ああいう、生と死の間の世界とか、何かと何かの境界の世界がとても好き。自分で音楽を作るときによく出てくるモチーフとして海岸線とガードレールというのがあるんだけどこの二つも生と死の境界だな。ところで夏ってなんで死の匂いのするものばかりなんだろうか。花火、海、セミ、戦争、お盆、西瓜の赤い色。
ボルタンスキー全部好きだけどこの Animitas シリーズなんて完全に三途の川じゃないか?アタカマ砂漠にもこのシリーズがあるらしいのでいつか行きたい。
関係ないけど Death Stranding のこのティザービジュアルは世界観近い気がする。
ゲームでいうと NieR: Automata とかサターンのバロックとかも近い世界観。
あと音楽だと GRIM を思い出す。www.youtube.com
ところで自分のなかで死後の世界ってパラレルワールド的なイメージがあって、そのイメージはそのままスライドしてレトロフューチャー的なイメージと重なる。レトロフューチャー = あり得たかもしれない世界、それはつまり、実際には到来しなかったのにイメージだけは存在しているという意味でその世界そのものが幽霊のようなもの。
レトロフューチャー(にくくっていいのかわからないけど)で好きなのが David Maljković の New heritage というシリーズで、ミュンヘンの美術館でたまたまドローイングを観たのだった。
こういうやつ。
アルミホイルにこだわりがあるらしく車をアルミホイルで包んだりしている。好き。
この new heritage シリーズは三部作のビデオ作品らしいけど観たことない。観たい。MoMA で観れるのかな?ここに簡単な解説がある。http://www.physicsroom.org.nz/archive/oldsite/gallery/2007/maljkovic/
このシリーズは旧ユーゴスラビアで社会主義政府のもとで建てられた第二次世界大戦の記念碑をテーマにしているのだけど、例えば "Yugoslav monuments" とかでグーグル画像検索するとヤバいデザインの記念碑がたくさん出てくる。こういうのとか:
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Yugoslav_World_War_II_monuments_and_memorials
戦争の記念碑だったはずなのに、デザインが強すぎるせいで記念碑としての意味は薄れてデカくてヤバい建築として観光地化しているようだ(よく知らないけど)。こういうふうに意味が変質して本来の文脈から離れて面白がられるのはレトロフューチャーのひとつの特徴であると思う。
それと、生と死ということで言うと、Herbert Nauderer という人はなんというか殺される直前って感じの世界をやってるように思う。イスマニングの誰もいない美術館でひとりで観たんだけどすごい怖くなった。
こういうやつ
本人の vimeo 見つけた。 https://vimeo.com/user34605761
みたことないものを沢山みたい。美しいものも恐ろしいものも。