遠くまで

 

もういいんだよ 夜が明けるまで
僕らどうしたって 歩いていけない

もういいだろう 嘘をついてみたって
僕らどうしたって どこにも行けない

海に投げた 花束は
波に飲まれ すぐに消えた
揺れるスカート あなたの声
あのとき何を話したっけ 思い出せない

もういいだろう 泣いても駄目だよ
僕らどう見たって ここで終わりだよ

ねえ そうだろう 泣かないでいいんだよ
ひとりきりになっても 歩いていけるよ

長く伸びた二人の影
どこまでだってずっと 行ける気がした
あなたの顔も忘れてしまうよ
何もかも少しづつ 形を変えていく

両手で掬って こぼさないように
あの声 あの声 忘れたくない
絵にならない 僕らだけの記憶
ほどけて ほどけて ばらばらになって

あなたの顔 あなたの声
あなたの仕草 優しかったこと
何もかもを忘れてしまうだろう
僕はきっと忘れてしまうんだろう